体力のない年配者は発症しやすい上、
自覚症状が少ないので、気づいたときには重症のケースも少なくな
い。
■原因は3つ
(1)体温調節能力の低下
汗は体温を下げる作用があるが、
加齢にともない汗が出にくくなる。
また、数日間、風呂に入らない人も多く、
そうなると皮脂が体の表面を覆い、
より汗をかきにくく熱が体内にこもってしまう。
(2)水分の摂取量が少ない
通常、水分が体に不足すると
脳が水分補給の指令を出すが、高齢者はこの働きが弱まる。
その上、
「のどの渇き・脈が早くなる・立ちくらみ・はきけ・血圧低下」
などの脱水症状の症状が現れても、
「持病のせい」「いつもの状態」と軽視してしまい、
気付くのが遅れる。
夜間の頻尿や尿漏れの心配から、
水分摂取を我慢する方も多いですが、非常に危険です。
(3)水分が出てしまう
体が脱水症状になると
「水分を体外に排出しないように」
と尿が濃くなるが、腎臓の働きも弱っているので、
尿濃度はあまり濃くならず、
水分が排出されてしまいます。
汗が出たり、のどの渇きを覚えたら赤信号で、
自覚症状が無いまま倒れることもあるので注意が必要です。
高齢者はおおむね35℃台の低体温なので、
若い人が ほおやおでこに触れて同じ体温ならそれは微熱状態。
また、舌は通常赤くふくらんだタラコのような状態ですが、
乾くと縦じわが出てくるので、周囲の人は
ここに注意してください。
■対策
・具体的には、起床時・朝食後・10時・12時・15時・17時・夕食後・就寝前に各200ccの水分(大きなコップ1杯)を
補給する。
暑い日はその倍くらい飲んでもいい。飲むのは、冷水やお茶で構わない。
手が届く所に、水分の入ったコップを置いておくだけで、水分摂取量が大幅に増えます。
無理して飲まずに、一口ずつ飲むだけで、水分摂取が習慣になります。
・外出前にはコップ3杯くらいの水分をとり、直射日光には、なるだけ当たらないように
帽子などをかぶり、1時間に1回は休憩するようにしてください。
特に暑い日中はできるだけは外出を避けてください。
高齢者は冷房を嫌がる傾向にありますが、暑さによる体への負担は想像以上なのであまり我慢せずに
適当に冷房も利用してください。
夜のトイレを嫌がり、水分を取らない人もいますが、夜中に2,3回トイレにいくのは普通です。
あまり気にせず、水分補給をしてください。
・屋内での注意も必要
熱中症患者の約3割は安静時に発生。(平成12年7月〜8月・東京の例)
熱中症で治療を受けた患者262人のうち安静時の発症は82名、うち70才以上も高齢者が32人。
室内でも高温多湿、無風の場合は、熱を体外に放出できないので危険です。
加齢とともに知覚も鈍り、暑さを感じにくくなります。就寝中に発症し、朝、運ばれた人もいます。
マンションの浴室や、最上階の人は要注意です。
日差しが当たらないからと安心せず、冷房や除湿機、扇風機なども適当に利用しましょう。